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自律神経失調症

自律神経失調症について

自律神経失調症は、自律神経のバランスが乱れることで引き起こされる症状の総称です。自律神経は、私たちの体のさまざまな機能を無意識に調整する役割を持っており、心拍数、血圧、消化、体温調節などを管理しています。このバランスが崩れると、さまざまな身体的・精神的な不調が現れることがあります。

自律神経の役割

自律神経私たちの体は、気温の変化や精神的なストレスなど外からの刺激に対して、体内の状態を一定に保とうとする働き(ホメオスタシス)があります。体温を一定に保ったり、食べた物を消化させたり、心拍の速度を調節したり、このような体の働きは、すべて私たちの「意志」とは関係なくコントロールされています。この働きを担うのが「自律神経」で、すべての器官を調節しています。
自律神経は「交感神経」と「副交感神経」という二つの神経からなっています。通常、交感神経と副交感神経がうまくバランスをとれるように働いていますが、心や身体のストレスなどで、このバランスが崩れてしまうことがあります。自律神経失調症とはこのバランスが崩れた場合に起こる症状の総称をいいます。

自律神経失調症の主な症状

身体的症状

発汗過多、手足の震え、めまい、ふらつき、耳鳴り、疲労感、昜疲労症、微熱、不眠、動悸、息切れ、食欲不振、下痢、便秘、手足のしびれ、手足の冷え、頭痛、のどの違和感、関節痛

精神的症状

不安感、イライラ、集中力の低下、睡眠障害など

自律神経失調症の原因

自律神経失調症の原因は多岐にわたりますが、主な要因として以下が挙げられます。

  • ストレス: 長期間にわたる精神的・身体的ストレスが自律神経のバランスを崩すことがあります。
  • 生活習慣の乱れ: 不規則な生活リズムや食生活の乱れが影響することがあります。
  • 環境要因: 気温や湿度の変化、騒音などの環境要因も影響を与えることがあります。
  • ホルモン異常: ホルモンバランスの乱れが自律神経に影響を与えることがあります。

自律神経失調症の治療

自律神経失調症の治療としては主に自律神経調整薬、抗不安薬などの薬物療法と生活リズムや環境を調整する生活療法や原因となっているストレスとの対処を図る精神療法があります。

生活習慣の改善

生活習慣が乱れた状態では、自律神経失調する可能性が高いので、生活習慣の改善を行います。具体的には、栄養バランスの整った食事、適度な運動の習慣化、休息・睡眠時間の十分な確保などに取り組み、心身を健康な状態に維持します。

精神療法

精神療法主治医・カウンセラーと会話を重ねながら、ストレスの原因の特定、感情の整理を行います。
本治療は症状の改善は期待できますが、効果はすぐに出るものではないため、治療は長期に及ぶことは予めご承知おきください。

薬物療法

うつ症状や不安感などの症状が起きている場合、抗うつ薬や抗不安薬、抗精神病薬を用いたり、自律神経調整薬などの薬物療法を行います。

漢方薬

漢方薬漢方薬は自律神経を整える作用があるため自律神経失調症に有効です。
種類は多岐にわたるため、各患者様の症状・体質に応じた適切なものを使用します。
漢方薬は疾患の原因に対してアプローチするわけではなく、体全体の調子を整えます。
そのため、西洋薬に比べると副作用のリスクが低く、長期間の使用も可能です。

自律神経失調症は、日常生活に大きな影響を与えることがありますが、適切な治療と生活習慣の見直しによって改善することが可能です。当院では、症状や原因に応じて薬物療法や食事・運動・睡眠などの生活習慣の改善を図る生活療法に加えて、認知行動療法などの心理療法・精神療法を併用し、根本的な治療を目指します。