認知行動療法
認知行動療法とは、現在発生している事象を具体化し、行動・思考などの変化させやすい部分から徐々に変化させていき、柔軟な考えを持てるようになることを目指す治療法です。
不安障害やうつ病に有効というデータが出ています。
治療の対象と診断
- 不安障害で悩みを抱えている方
- うつ病で悩みを抱えている方
- 発達障害で悩みを抱えている方
- 職場内の人間関係に悩みを抱えている方
- ネガティブな思考を改善したい方
- 学校や会社に行く時間になっているのに、外に出られない方
治療の対象と診断
人間は、嫌な思いをした場合、ネガティブな感情が生まれるのはその事情が原因だと考えますが、認知行動療法では「事象に対する自身の受け取り方・行動が気分によって左右される」と考えます。そのため、治療は事象に対する受け取り方・行動、つまり認知に対してアプローチします。
認知について
認知行動療法は、物事に対する受け取り方を「認知」と定義し、ネガティブな見方を現実的な見方に変化させていきます。カウンセリングは、患者様がこれまでの人生で得た「思考のクセ」を整理・修正します。これはこれまで培ってきた考えを否定するように聞こえるかもしれませんが、そうではなく、新たな考え方を加えて柔軟性を持てるようにします。
行動について
認知行動療法では、事情に対する行動にも重点を置きます。起こした行動に対して別の方法もあることを理解することで、ネガティブな思考に向かないように練習していきます。カウンセリングは、患者様がこれまでの人生で得た「対処行動」を整理・理解します。新たな対処行動を起こした結果、自分自身そして周囲に発生する変化がどのようなものかを確認することで、柔軟な行動を習得していきます。
治療の実際
治療の流れは患者様によって違いがありますが、主に以下のような流れで治療を行います。
- お困りの内容や改善したい内容についてお聞きします。
- カウンセラーとともに治療目標を決めます。
- 治療目標に向けて治療内容を決定します。この際、カウンセリングで行う内容に加え、日常生活でも取り組む内容についても相談します。
- カウンセリングにて、実践した結果について整理し、効果が出ているか判断します。効果が不十分であれば、別の取り組みを再度検討します。
- ③~④の流れを何度か繰り返します。
- 目標が達成したことが確認できれば、ここでカウンセリングは終了です。
- 数ヶ月後に経過観察として面談を実施することがあります。
対人関係療法(IPT)
対人関係療法(IPT)
について
対人関係療法(IPT)は、主にうつ症状や不安感を抱えている方に適した心理療法です。人間関係の問題や生活環境の変化が、心の健康にどのように影響しているかを探りながら、現実的な改善方法を一緒に見つけ出していきます。日常生活での関係が円滑にいくようサポートし、自分らしい生き方を取り戻すことを目指します。
治療の対象
対人関係療法は、特に以下のような状況で悩んでいる方に効果が期待できます。
家族や友人とのトラブル
家族や友人との間で対立が生じたり、距離感がうまく取れないと感じるときに、関係を修復する方法を模索します。
ライフステージの変化
例えば、仕事の昇進や異動、子育ての開始、退職といった大きな環境変化は、不安やストレスを引き起こすことがあります。これらの変化に対して、どのように適応していくかを学びます。
社会的孤立感
周囲の人々とつながりが薄い、または自分からうまく接触が持てない場合、孤立感が深まり、うつ症状が悪化することがあります。対人関係療法では、孤立を解消し、社会的なつながりを持つためのサポートを行います。
対人関係療法の進め方
対人関係療法では、最初にどのような問題があるのかを一緒に確認し、目標を立てます。その後、問題の解決や対人スキルの習得に向けて、段階的に取り組みます。
第1段階:問題の把握と
ゴール設定
最初のセッションでは、症状の原因となっている関係性の問題を整理し、どのように改善していくかを話し合います。どのような対人関係のテーマが主要な課題であるかを一緒に見つけ出し、それに応じたゴールを設定します。
第2段階:対人関係の改善と
スキルの習得
各セッションで、対人関係の問題解決に必要な具体的なスキルを学びます。たとえば、「自分の気持ちや意見を伝える方法」「共感や相手への配慮の仕方」を身につけることで、より良い関係性を築くための力を養います。
第3段階:生活での実践と
振り返り
学んだことを日常生活で実践し、進展があればその内容を共有します。どのような変化が起きたか、問題が少しでも改善したかを話し合い、次のステップに進んでいきます。
期待できる効果
対人関係療法では、心の負担が和らぐだけでなく、現実生活の人間関係がより良くなることが期待されます。自分に合った対人スキルを使えるようになることで、仕事や家庭での対人関係が円滑になり、孤独感が軽減されます。
人間関係に着目した治療法で、うつ病に対して行われますが、別の問題にも利用されています。周囲の人間関係がご自身の感情・行動にどのような影響を与えているかを把握するサポートを行います。その上で、良い人間関係をどのように構築していくかを探求し、改善に導きます。
カウンセリング
カウンセリングは、カウンセラーとの対話を通じて悩みを解決する方法です。短期間となることが多く、問題をクリアにするためのサポートを行います。問題をクリアにすることで、患者様ご自身で答えを導き出しやすくなります。最近できた悩みなどについて行うことが多いです。