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発達障害の心理検査

自閉スペクトラム症(ASD)・注意欠如・多動症(ADHD)の
検査を
ご希望の方へ

自閉スペクトラム症(ASD)・注意欠如・多動症(ADHD)の検査をご希望の方へ当院では、大人の発達障害(ASD=自閉スペクトラム症、ADHD=注意欠如・多動症)が疑われる方に、診断と支援方針の検討のため各種心理検査を行っています。検査を通じて自分の特性を理解することは、生活や仕事の工夫、必要な支援を見つける第一歩です。

当院で実施している
大人の発達障害の心理検査

① WAIS-IV(ウェクスラー成人知能検査)

対象:16歳以上 / 所要時間:90~120分
WAIS-IVは成人用の知能検査で、単なるIQ(知能指数)を測るだけでなく、知的機能の「得意・不得意」を多角的に把握することができます。
発達障害の特性理解に非常に役立ちます。

📝 評価する4つの指標

  • 言語理解(VCI):語彙力、一般常識、言葉の理解力。言語でのコミュニケーション力の一面を反映。
  • 知覚推理(PRI):視覚情報の処理、図形や空間の把握力。物事を視覚的に捉え問題解決する力
  • ワーキングメモリ(WMI):情報を一時的に記憶し処理する力。注意の持続や計算能力にも関連
  • 処理速度(PSI):視覚情報を正確かつ迅速に処理する力。作業のスピード感や正確性を測る。

🌟 特徴・活用

  • ASDでは「知覚推理は高いが処理速度が極端に低い」など、能力の凹凸が大きく現れることがあります。
  • ADHDではワーキングメモリや処理速度の弱さが目立つことが多いです。
  • 職業適性や就労支援を考える上でも役立つ客観データが得られます。

② MSPA(発達障害の要支援度評価尺度)

対象:成人 / 所要時間:90~120分
MSPA(エムスパ)とは、個々の発達特性に応じた支援の度合いを評価する検査になります。発達障害の診断目的ではなく、ご本人の特性や困り事を整理し、視覚的な特性チャートを作成することで適切な支援に繋げることを目的とします。発達障害は同じ診断名であっても、一人ひとり特性や困りごとが異なります。特性チャートがご本人の自己理解や周囲との共通理解を深め、よりよい支援や環境調整のサポートに繋がります。

📝検査の内容

検査では、ご本人や保護者等からの幼少期からの成育歴の聞き取りを行います。「コミュニケーション」「集団適応力」「共感性」「こだわり」「感覚」「反復運動」「粗大運動」「微細協調運動」「不注意」「多動性」「衝動性」「睡眠リズム」「学習」「言語発達歴」の14項目から多面的に評価し、特性チャートにまとめます。

🌟 特徴・活用

  • 特性の凸凹や生きづらさの要因を多面的に把握できます。
  • 結果はレーダーチャートで視覚化され、自分の特性の全体像が一目でわかります
  • 自分の特性を整理し、支援策や自己理解に役立ちます。
  • MSPAの結果例(レーダーチャート)

下記はMSPAで得られる結果の一例です。個々の特性が一目でわかるよう、グラフで視覚化されます。

MSPA(発達障害の要支援度評価尺度)

③ AQ(自閉スペクトラム指数)

対象:思春期以降 / 所要時間:10~15分
AQは50問の自己記入式質問紙で、ASDの特性の有無をスクリーニングする検査です。

📝 評価する5分野

  • 社会的スキル:人間関係や場の空気を読む力
  • 注意の切り替え:状況に応じた柔軟な対応力
  • 注意の集中:物事に集中し続ける力
  • 想像力:他者の立場を想像したり創造する力
  • コミュニケーション:言葉や非言語的なやりとりの力

🌟 特徴・活用

  • 31~33点以上でASD傾向が示唆されますが、診断確定には他の検査や面接評価が必要です。
  • 自己理解を深めるきっかけや、WAIS-IVなどの他の検査と組み合わせた診断補助に役立ちます。

④ ASRS(成人用ADHDスクリーニングテスト)

対象:18歳以上 / 所要時間:10分程度
ASRSはDSM(精神疾患の診断基準)に基づいて作成された、ADHDの簡易自己記入式質問紙です。

📝 評価する主な領域

  • 不注意症状:忘れ物が多い、集中が続かない、整理整頓が苦手
  • 多動・衝動性:落ち着かない、思ったことをすぐ口にする、せっかち

🌟 特徴・活用

  • 短時間で簡易的にADHDの傾向を把握できます。
  • 「受診すべきか迷っている方」に初期スクリーニングとして有効です。

⑤ CAARS(成人用ADHD評価尺度)

対象:18歳以上 / 所要時間:30分程度
CAARSは、成人のADHDの特性を詳細に評価するための心理検査で、ASRSよりも具体的な症状の強さ・パターン・日常生活への影響を把握できます。
自己評価だけでなく、家族や配偶者、職場の上司などによる他者評価も可能です。

📝 評価する主な指標

  • 不注意・記憶の問題
  • 多動・落ち着きのなさ
  • 衝動性・感情制御の困難
  • 自尊心の問題(失敗経験や自己評価の低さ)
  • ADHDインデックス(総合評価)

以上より、項目ごとに得点をグラフ化し、各特性の強さ・偏りを明確に把握できます。

🌟 特徴・活用

  • ASRSより詳細な症状の強さやパターン、日常生活への影響がわかります。
  • 自己評価と他者評価を比較することで、自覚しにくい困りごとも明確になります。
  • ADHDの診断補助、治療方針の決定、就労支援の資料として活用されます。

検査費用(すべて税込み)

単体検査

WAIS-IV 16,500円
MSPA 11,000円
CAARS 

(今後導入予定)